しじま

ストーブによって生じた熱気が剥がされ夜の静寂はより一層音を立て動き始める。

私は冬が好きであるけれど悴む手の感触は好ましくは思わない。私の一部が私の思惑通りに動いてくれないというのは大変にもどかしく感じられる。

青森の冬は刺すように寒い。清々しい寒さでありながら粘っこさも同時に存在している。纏わりつく冷気とも数カ月でお別れ。慣れ親しんだ田舎での暮らしに思い入れが無い訳ではない。好きかと訊ねられれば頷きはしないが愛すべき、愛おしい生活だ。私は都会の喧騒や雑踏に耐えられるかと不安を抱いている。1ヶ月間東京で過ごした時は心も体も磨耗した気がする。やはり田舎は楽である。思い返せばこの18年間様々な出会いがあった。この感情を噛み締め残り少ない時間を過ごしたい。物思いに耽るベランダで1人佇む冬を愛していこうと思った。